茎頂培養法によるキャッサバ内生菌フリー個体の作出



　キャッサバ（Manihot esculenta）はトウダイグサ科イモノキ属の熱帯低木で、アジア、アフリカ、南米の熱帯地域を中心に世界中で広く栽培されている。キャッサバは高い環境ストレス耐性を持ち、これまでの研究で耐乾性、耐暑性、貧栄養耐性などについて非常に優れていることが明らかとなっているものの、そのメカニズムに関しては十分に解明されているとはいえない。キャッサバの環境ストレス耐性の中で、特に貧栄養耐性に関して、先行研究より、植物内生菌の関与の可能性を考えることができる。内生菌には、宿主植物に様々な利益をもたらす共生関係にあるものが存在し、サトウキビの例で、植物内生菌による窒素固定が行われている可能性が示唆されており（安藤 2004）キャッサバにおいても、このような内生菌の窒素固定によって、貧栄養耐性を獲得している可能性がある。キャッサバ内生菌相の分析から、窒素固定能を持つ内生菌が検出されたという報告はある（木田 2013）ものの、植物内生菌を含まない無菌のキャッサバを作出し、窒素の取り込みや生育について比較しなければ、内生菌による関与が認められたとはいえない。

　そこで本研究では、前段階として、茎頂培養の手法を用い、内生菌フリーのキャッサバ個体を作出することを目的とした。




The new breed of Cassaba that has no endophyte by mericlone


Cassava（Manihot esculenta） is a woody shrub of the Euphorbiaceae family.
It's extensively cultivated as an annual crop in tropical and subtropical regions.
Cassava is tolerant of many different adverse condition.
I intended to figure out what is behind this mechanism, particularly the tolerance of oligotorophic condition.
According to previous study, endophytes live in a symbiotic relationship with Cassava could have an important part to play in its tolerance.
The new breed of Cassaba that has no endofhyte is necessary to confirm these assumption, as a previous step.